「マザーマシンぶっちゃけよう特集4」駆動系

4回目の今回は、駆動部。特に工作機械業界ではリニアモーターとボールねじについてです。

リニアモーターって聞くと近代の新技術のように聞こえますが、実はもう20年前以上にもうあったんですよね。

何故その頃に普及しなかったというと、当時、ネオジウム磁石自体値段が高かったのが1つの所以でしょう。

でも、今となってはだいぶ安くなって、デメリットも少ないリニアモーターを採用するケースがほとんどです。

 

なので、ボールねじの利用価値がほぼなくなってしまった。

とよく言われますが、実はそんなこともないんです。

まず、門型でストロークの大きいマシニングセンタ(オークマや東芝機械など)には不向きだということ。

値段をかけてまで、沢山の磁石板を用いてリニアモーターを採用するほど精度いらないし。ってことです。

次に僕が重視しなくてはならないことは、防塵防水対策です。これは設計する上で非常に重要だと思います。

 

切削剤や切粉がリニアモーターに侵入されると、障害を起こして最悪、磁石板やコイルスライダー自体を交換しなくてはならないからです。

よく利用される水溶性切削剤(乳白色や透明)は、潤滑性はありますが、腐食性が結構あり、定期的なメンテナンスをしないと、加工精度や故障に影響が出てしまう。

 

使用する切削剤はお客さんによって種類はもとより、成分や配合が異なるのでややこしいところです。

が、まあ20~30年前に比べれば、耐食性や耐薬品性が向上し、テレスコカバーも丈夫になり、そこまで気にしなくてもよいというケースが増えてきたようです。

とは言っても、何十年も使う機械ですから、全く気にしなくてもいいという考え方はやめたほうが良いでしょう。

 

リニアモーターばかり押してしまいましたが、個人的にはボールねじは好きです。

何故かと言うと、中古で安く手に入りやすいから。リニアモーターより安いため、とりあえず加工精度はそこそこでこれくらいあれば十分。という方にももってこいです。

設計のしやすさもあります。まあ、そこまでくると自作で作るようなプライベート的な感じになりますがww

 

で、そろそろリニアモーターよりすごいものが来ても良い頃だなーって僕は思います。まあ、あまり当てにはしてませんが。