続いて、第3回目となる今回は「ATC」です。
ATC?何それ?おいしいの??
って方にじゃあ、ちょっとだけ解説しましょうか。
ATC、略すと「オートツールチェンジャー」自動的に工具を交換するって意味です。
実際に現物をみれば「ああ、こんな感じか」って分かるんですが、身近なもので言えば、中華テーブルみたいなものです。
麻婆豆腐が食べたい。だけど、中華テーブルの一番遠くにある。そこで、テーブルを回してもらって、自分の手前に持ってくる。
この場合、麻婆豆腐(や他の料理)を工具に置き換えれば良い。必要な工具(この場合麻婆豆腐)を自分のところ(厳密には主軸)に持ってくるのです。
ATCも同じような感じ。それがメカニカルになっただけです。
じゃあどんな種類があるの?とか、メーカーによってどんな違いがあるの?
という質問に回答すると、長ったらしくなるので、割愛しちゃいますww ググるか、カタログでも見て調べてください。
ATCを操作する上では、NCコード機能にあるM機能(補助機能)やT機能(工具機能)を覚えてくれれば、それなりにいけますが、
じゃあ、ATC装置を作ろう!!ってなるとかなり複雑なわけです。
工具の質量、長さ、取り付けたときの重心点。工具モーメントを算出。ツールマガジンはどんな方式が良いか。工具をチャックする保持力はどれくらい?空圧配管の取り回し、運搬方法、油漏れ対策…
…果てしないわけです。まあ、それが面白いわけですがww
よく誤解されるのが、ATC交換時の時間を短縮=モータ速度(サーボゲイン)を上げればいいという考え方。
確かに、速度を速めれば、時間短縮につながり、加工時間もそれなりに短くはなりますが、そういうわけにはいかないそうです。
「マガジン、特にアームの速度を限界まで速くすると、チャックしている工具の軸芯がずれて加工精度に影響する。最悪工具が落下するよ。」
と、とあるベテランの方が言っていました。チャック保持力を強めたとしても、外す時の力が結構いる上、キズも付きやすくなる。
結局は、どこまでATCの交換をしないかが重要だそうです。つまりムダなATC交換はしないこと。あとはメンテナンス。
特に油については注意が必要だそうです。よく見かける水溶性切削剤は周りを錆びやすくするので、常に意識しておくことを心がけましょう。
ATCに頼らず、人間の手で工具を交換しているメーカーもあります。
一度見たとこありますが、「あ?ATCより工具交換早いじゃん!!」
って思いました。流石ベテランですね…
自動化が進んでいる時代、こうやって手作業でやっているところもある。機械だけでは人間に勝てないところがあるんだ。そう思いましたね。
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