モノをつくる上で、コンセプトを考える時、軽量化を目標に話し合うことが多いですが、よく「コンパクトにしてみたら軽量化になる」という人がいます。
が、実際コンパクトになったからって必然的に軽量化になる訳ではありません。
僕が大学生の頃、「学生フォーミュラ」で車両のコンセプトメイキングを行っていた時に、自動車評論家の方がそう言っていました。
「そもそもコンパクトとは何かを考えていない、理解していない。」と。
調べてみると、
「無駄なく小さく、小型にまとまっている」
と分かりましたが、どこまで小さく小型にしたらいいのかが分かりません。
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そこで、過去に自分たちで作った車両や他で作っている(た)同じような仕様の車両のデータを使って比較するわけです。例えば
「私達が今年製作するこの赤い車は、去年の青い車や他社の黄色の車と比較して、エンジンスペースが〇〇%縮小しているため、コンパクトである」
それはそれで、プレゼン発表時では役には立ちますが、そもそもの目標はなんだったのか。その目標に達しているかどうかを忘れてはならないと思います。
コンパクトにする事を目標にしているとすると、コンパクトにするためには何が必要かということを考えなくてはいけない。
コンパクトで終わってはいけないのです。携わっている人たちが思い描いている車両を一致させるためには、この「コンセプト・メイキング」で車両を具現化させなければいけないからです。
コンパクトにするために、軽量化はもちろんのこと、構造を単純化する。シンプルにする。部品点数を少なくする、そのために、エンジンの種類を変えてみる。
など、ミーティングで話し合って、限界まで洗い出すことが大事なのです。とりあえず、デメリットメリットは関係なしに、ホワイトボード(またはノート)に要素を書きます。
そうすると、〇〇というキーワードがでたけど、そもそも〇〇ってなんだ?本当にメインコンセプトと繋がるのか。〇〇に必要なものは?〇〇を試しているこのチームは、どういう結果をだしているか。
といったように、次々と思考が深まっていくのです。
以上をなるべく多くの人と話し合い、意見を出し合って、誰でも論理的に説明できるようなメインコンセプトに仕上がっていけたらベストです。
でも想像力や創造を働かせるためには、やはりそのことについての基礎知識がなければ語れません。
だから、学校の勉強って大事なんですよ。
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