養老孟司氏の『神は詳細に宿る』の続きです。
本書35ページに興味深いことが書かれていました。
「…日本の食卓の研究している岩村暢子さんの研究をいくつかの賞に推薦してみたのでしたが、ダメでしたね。(以下省略)
岩村さんの研究は、普通の四〇代の主婦を対象に、食事をつくるモチベーションが低くなっているかどうかを調査するために、
インスタントカメラを渡して朝食の写真だけ一週間撮ってもらうというものです。
その前に「どういうつもりで朝食をつくっていますか」と聞き書きします。すると「伝統的な和食を大事にしています」と答える人が多い。
確かに最初の二、三日はいろいろ頑張っていますが、最後はアンパンと牛乳で終わるといったようなことになります。
そこから導かれる結論の一つが、日本の主婦の五〇代パーセントが言っていることとやっていることが一八〇度違うというものです。」
確かに、これは重要な結論だといえるでしょう。
人の言っていることが50%が真実で50%がウソだということになる。
主婦による調査なので、女性が対象ですが、男性でもこういった結果であれば、人間の言っていることは50%は当てにならない訳です。
だから、人に言われてすごく気にしている。ネガティブになってしまうケースがある人は、ウソの可能性が高い。あまり気にしなくてもいいと言いたい。
そもそもですが、人の話を1から10まで聞き取ってちゃんと理解しているのかという点もあやしいところです。
人間なんて所詮そんなものです。他人のことなんて実際あまり見てない。100人に自分の意見を伝えたとして30人に共感すれば大したものだとボクは思います。
それを意識して相手と話をしていると、とても気が楽になるのではないでしょうか。すべて○○ではない。これも以前ブログで書いた「「権力」で僕が悩み苦しんだこと ~男女関係~」に繋がっている。
何故、こういった結果になってしまったか。それは「実際やってみないと分からない」という考えが根本的にあるからだと本書に書かれています。
日本人はとても律儀なので、「有言実行」が当たり前だと考えていますが、世界を見ると、実は「有言不実行」がベースなのではないでしょうか。中国や米国を見ているとそう思います。
仕事でそんなことされたら、たまったもんじゃないんですけどね。でも「有言不実行」が世界標準だと考えるとちょっと気が楽になる。
そうやってボクはなるべく「ストレス」を溜めないようにのほほーんと生きています。
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