今後のFA業界はどうなるのか(稲葉会長の意見から)

とある雑誌にて、ファナックの稲葉会長兼CEOの記事がありましたので、自分の意見も踏まえて載せておきます。


所有から利用へ

ものづくりが、従来の「モノ」から「コト」へと変わります。

これまでは、工作機械を購入して物を作ってきました。それが今では、工作機械を購入して所有することに意味があるのではなく、

それを動かして物を作り、付加価値を与えるのが重要になりつつあります。

生産財は所有するのではなく、利用してナンボ。シェアリングの動きもどんどん出てきます。

FA業界では、強い企業ではなく、変化に対応できる企業が生き残ります。

これまでは、クローズでノウハウを自社の財産として囲い込めば良かった。しかし、今後はオープンとクローズ、つまり協調と競争のバランスを考えないと取り残されるでしょう。


…AIやIOT、スマート工場が進行している今日において、(クラウド上のサーバに)ビックデータを取り入れ、解析をする。そのデータ、つまり自社のノウハウをどこまでオープンにし、どこまでクローズにするかがポイントです。

稲葉会長の「競争」という面で考えると、クローズにした方がいいかもしれない。

ですが、クローズばかりし続けていると、FA業界から置いてきぼりになる。変化に対応できない、企業として生き残れないのです。

だから「協調」することも大事だと言っているのです。

 

昔の話になりますが、「学生フォーミュラ」をやっていた時に、大会でとある大学が、ピットの中を関係者以外に見せないよう、カーテン等で閉めていたことがありました。

自分たちが作業しているところを誰にも見せたくなかったのでしょう。報道陣や周りがうるさいというのもあるでしょうが、何より情報漏洩を危惧していたのだと思います。

その大学チームは当時は強かったのですが、温和に解決せず、半ば無理矢理こういった行為をしたことで、周りから冷たい目で見られ、成績順位も下がったと聞きます。

 

「競争」を重視してしまったのが理由だとボクは思います。

もちろん、大会なので、「絶対勝ってやる」「優勝してやる」という気持ちは大事です。そうでなければ、結果も出ないし、士気も下がってしまう。

しかし、長い目で見ると、お互いに協力し合うほうがいいのです。敵同士ではあるものの、シェアできるところはシェアし、「学生フォーミュラ」を盛り上げて楽しむ。

それが「切磋琢磨」です。

FA業界でもスポーツでも同じです。利用できることはどんどん利用していった方がいい。自分にとっても相手にとっても、より付加価値が高められるのです。

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