養老孟司氏の『バカなおとなにならない脳』(よりみちパン!セ)の続きです。
今回は「コミュニケーションについて不安があることについてです。」
「自分の考え方を本当に人がわかってくれるのか、人の言うことが理解できるのかが不安」ということです。
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その質問に養老氏は、
「自分と相手の距離がつかめていない。つまり、分からないと困ることと、分からないくていいということの区別ができていない。」
「コミュニケーションが不安な理由は、実は人と人との距離が取れず、連続してしまっている。」
「なぜ、距離が取れないのか、それはある種の自我が確立していないからだ」と述べています。
自我を確立するにあたって、毎度お馴染みの「入出力のループ」が重要であることは間違いないですが、自分と人はそもそも違うってことを理解しなくてはならない。
「自分の考え方を本当に人がわかってくれるのか」というのは、はじめから期待すること自体おかしな話で、今現在においてもそれで苦労する人は沢山います。僕もそうです。
本書には書いてありませんが、だからこそ、相手のことをしっかり調べる必要がある。学校の授業で、テストで出やすいところを見つけるために、先生の特徴や様子を調べる。それと同じようなものです。
人と常に接して働いている人をみるとよく分かります。その人によって話すテーマ及びスピードも違えば、トーンも異なるのです。
相手のことを調べて合わせるといったことは、大事なことではありますが、それに執着しすぎてもよくないのです。
その背景が、質問者がおっしゃっている、上司に対しての文句だとか、会社のリストラだとかという話に直結してくる。
だから、最終的には、自分と今目の前にいる相手は違うことを理解しなくてはならないのです。
「付かず離れず」「不即不離」という言葉があります。まさに他人と付き合う上でのポイントになるのではないかと思います。
どれくらいの距離間が一番いいのか。これが環境や人によっても違うので、非常に難しいんです。
それが面白いんですが、個を立てすぎて分からなくなっているのが実情です。
その上で、自我を確立していくという訳になるのですが、自分の好きなことについて養老氏は虫、虫、虫ばかりを述べて解説していますww
だから、楽しい、面白いことを人に言われても気にせずやっていれば、自然に確立していくと言っている。それが良いか悪いかはここでは関係ありません。
あとは、「入出力のループ」を回すべく、いろんな人と接したり体験をしたりする。子どもの頃にこういったことをする重要性はもう何度も説明している通りです。
そうすれば、すこしでも自信がつくのではないかと思います。
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