工作機械における「人間工学」というのはとても重要だと僕は思います。
現在開催されている「JIMTOF2018」でも、操作盤のタッチパネル化が浸透しているようですが、
正直それは、2の次です。
それよりも、どれだけ人間が楽な姿勢で操作しやすくなるか。のほうが重要なのです。(各会社を見ているとそこを前提に考えていないように見えたので…)
これは、「自動車工学」とよく似ています。
人間が着座し、ステアリングを手で持つ。その時の体勢、角度。いわゆるドライビングポジションです。
でも、「工作機械」との違いはあります。人間を重量物として換算しているか否かです。
「人間を重量物」として入れると、自動車全体の重心が変わってきます。
そこからエンジンやトランスミッション等をどこに置き、慣性モーメント等を考える訳ですが、「工作機械」はそれがありません。
なので、「自動車」よりは複雑でないことが分かります。
では、一般的に考える、人間工学から見た「使いやすさ」を箇条書きでまとめてみました。
① 寸法の適合性
>レバーやスイッチの大きさが人間の手や工作機械の大きさとマッチングしているか。
② 操作性
>人間の運動特性や筋力と自身の操作特性とのマッチング
③ 情報表示性
>操作盤のディスプレイの見易さ(文字や数字の大きさ)輝度など
④ 安全性、危険性
>人間に危害を加えないか。「使いやすさや操作性」以前の問題
⑤ 環境による適合性
>振動や騒音、特に切削油による人間の影響など
⑥ デザイン性
>機能的に作業者を満足させることができるか。その時代の文化に沿って変化する。
これらをすべて満足させることは事実不可能です。
が、「疲れ」をださない。操作時の集中力を維持させることが、重要だということは念頭に入れておきましょう。
次回は、もうちょっと詳しく解説をします。
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