「利益」を確保する2つのキーワード【生産工学ver7】


僕:「サプライチェーン」による影響が企業に大きく関係することは前回の話から分かってくれたと思います。

企業が生き残るためには、利益を上げ続けることが必要だということです。

利益を上げるためには製品が売れ、製品原価が売価以下であることは、赤字ってなんだろう?からもなんとなく理解できると思います。

 

売れる製品とは、なんなのか。価格、納期、サービスなどにおいて、競合他社と同等以上であること。そのために利益を確保できるコストで製品を作ることが前提になります。

そこでいろいろな手法があるんだけど、今回は生産工学のテストに出てくるものをピックアップしてみました。

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K君:前置きが長いっすよ。タカボーさん!!

 

 

僕: う~ん。K君はまだ、この重要性がよく分かっていないようだね。まあ、社会人になって働くようになれば、生き残るということがどれだけ大変かというのが分かると思うな。

 

ということで、コストについて話すけど、付加価値を高めるために重要な手法がある。「価格分析」というものだ。

 

K君:聞いたことないっすね。どういうものなんですか?

 

 

僕: GE (General Electric) 社のL. D. Milesにより提案されたものなんだ。 英語でValue Analysis (VA)だ。

製品や役務(サービス)などの価値を最大にしようという体系的手法を意味するんだけど、最近はバリューエンジニアリング( Value Engineering)略してVEの方が一般的だね。

これも生産性と同じく、キーワード(公式)があってね。

 

 

 

 

が成り立つんだ。費用が上がる=価値が下がる。これがポイントだ。性能が上がればいいってものではない。

このVE、日本バリュー・エンジニアリング協会【https://www.sjve.org/】というのがあって、専門家認定のため、資格を設けている。

これ、学生でも資格がとれるそうなんだ。しかも学生割引で安くなる。K君も受けてみたらどうかな?高校生や大学生でこの資格を持ってる人はめったにいないから、面接の時、面接官はかなり驚くと思うよ。

 

K君:まあ、時間があれば受けてみようかな…

 

 

僕:詳しくはHPを見てくれれば分かるんだけど、コストが安いという理由だけで部品を変えようとすると、不具合が起きやすい。その点は注意しよう。

 

あと、「グループテクノロジー」という言葉もよく生産工学ででてくるよ。

どういった意味なのか、なんとなくわかるかな?

 

K君:う~ん。(工業的な)技術の集団?翻訳するとそんな感じですよね?

 

 

僕:確かにそんな感じだけど、生産工学だと意味合いが変わってきますな。

 

1913年にフォードがエンジンの組立ラインを実用化して以来、流れ生産による能率的で安価な生産手段が生産現場に定着したんだけど(ここも重要)

一方、多種少量生産の生産性は非常に悪く、その生産性向上が望まれていたんだ。そこで、 1958年 ソ連 ミトロファーノフにより 多種少量生産において大量生産方式を取り入れようとする発想が提案されたんだよ。

「グループテクノロジー」(GT)の考え方は以下の通りになるよ。

グループテクノロジーの手順も載せておこう。

注意点として、GTは生産現場だけでは効果が上がらないということ。設計の段階からGTを適用しやすい設計を心がける必要があるんだ。

ファナック(株)の実質的な創業者で現名誉会長の稲葉清右衛門氏も、ファナックのもの作りの基本方針で「利益は開発時点で決まり、製造段階では生まれない。」と言っている。

 

このことから、設計部門というのは利益を生み出すために非常に重要なポジションであることが分かるね。逆に設計開発しないと、利益が確保できなくなるということだ。

 

K君:オレも将来ロボットの開発とか携わっていきたいと思ったんで、今回の話を聞いて真面目に勉強しないとなと感じました。

 

僕:そう思ってくれるだけで僕はうれしいかぎりだよ。

大人でもこういったことが、理解できない人もいるからね。なんでも設計や製造側に責任を押し付ける。自分のポジションのことしか考えられなくなってるんです。悲しいことだよ。

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