僕が小学校のアシスタントをしていた頃、2年生の算数で時計の読み方についての授業をしていました。
時計の読み方。本当につまづく人が多い。僕もそうでしたから。
先生が理論的に分かりやすく説明しても、やはり理解に苦しむ子が多かったですね。
そこで、先生が焦って「長い針がいま30のところにあるでしょ?短い針が1時台にあるから今1時30分だよ」って算数キットの時計を使って解説しても、やっぱり分からない。
ここで、僕が気づいたのは
「焦っていてもしょうがない」
です。
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これに関連する僕の好きな言葉があります。
順天堂大学の小児外科医である山高篤行先生の
「ゆっくり、はやく」
です。
安全に確実に失敗しないよう手術するために、手を動かす作業はゆっくりだけど、やっていることにムダがないから早く終わるんだそうです。
焦ってしまうと、作業は早いように見える。
ただ、必然的に失敗やミスが増えてしまうから、確実に無駄なくこなすためにゆっくり焦らず作業したほうがいい。
そちらのほうが、もし失敗やミスした場合の修正する手間が省けるからリスクは低いのです。
「なるほどなぁ」
と思いましたね。
だから、さっきの時計の話も同じ。先生が焦ってもしょうがないということ。
実はその逆で、「時計なんかデジタル時計があるんだから気にしなくてもいいよ。」
と、声をかけたほうが実は焦ってイライラしている子どもにとっては安心するんじゃないかと思います。
「アナログ時計なんかもう読めない!!」
と時計に対して拒絶反応するより、
「別にデジタル時計があるんだから、アナログ時計はまあなんとかなる!!」
と考えたほうがこの場合、「ゆっくり、はやく」に繋がるのです。
デジタルが普及して、大人になってアナログ時計が読めない方もいますが、それは必然的なものではないかと思います。
マニュアル車を運転する機会が減ってオートマ車を運転することが増え、マニュアル車が運転できなくなった。これと同じです。
だから、別にそんな気にしなくても良い。仕事や生活に頻繁に支障が出てきたら、「じゃあ、そろそろ長い針ぐらいは覚えようか」程度で十分です。
「焦らず、ゆっくり、はやく」
は、生徒や後輩に指導する上で最も大事なことなのではと思います。
あとは、本人がどこまで真剣に考えているかですね。
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